ダヴィンチSP
2025年10月、最新のシングルポート型手術支援ロボットである「ダヴィンチSP」を導入しました。
ダヴィンチSPは、米国インテュイティブサージカル社が提供する手術支援ロボットで、2023年1月に日本で薬事承認されました。東海地方では4台目の導入となります。
従来型のダヴィンチXiは、4本のアームを挿入するのが必要であったのに対し、ダヴィンチSPではシングルポート(アームが1本)となっているため、さらなる身体への負担の軽減と、整容性の向上が期待されます。
泌尿器科ロボット支援手術の新たな選択肢
ー ダヴィンチSPとXiとの比較 ー
当院泌尿器科では、これまで「ダヴィンチXi」によるロボット支援手術を通じて、前立腺がん・腎がん・膀胱がんなどに対して高精度かつ低侵襲な治療を提供してまいりました。
このたび新たに「ダヴィンチSP」を導入し、より患者さんに優しい手術の選択肢を広げることが可能となりました。
XiとSPの比較
![]() |
![]() |
|
|---|---|---|
| 比較項目 | ダヴィンチXi | ダヴィンチSP |
| ポート構成 | マルチポート(4か所、8-12mm) | シングルポート(1か所、2.5-5cm) |
| アーム構造 | 独立型4アーム | 1本のカニューラから3アーム+カメラ |
| 操作性 | 広範囲・高精度 | 狭小部位での繊細な操作に特化 |
Da Vinci SP紹介ビデオ
泌尿器科領域での主な適応
・腎摘除術
・腎部分切除術
・腎尿管全摘除術
・副腎摘除術
・腎盂形成術
ダヴィンチSPは「Xiではアプローチが難しかった深部・狭小部位」に対して有効であり、術者の視野確保や鉗子干渉の軽減にも寄与するため、 患者様にとって負担の少ない体位で手術をすることも可能になります。
当科の運用方針
当科では、XiとSPの両機種を症例ごとに適切に使い分けることで、患者さまの疾患特性・体型・希望に応じた最適な手術方法を選択できる体制を整えています。
泌尿器科専門医による術式選定と、ロボット手術チームによる安全管理のもと、より質の高い医療を提供してまいります。
また、他の疾患に対する低侵襲治療の術式開発を進めてまいります。

