主な病気と治療方法

下部尿路機能障害

下部尿路機能障害とは

おしっこの問題は年齢に関わらず、また性別にかかわらず、日常生活を行う上でつきものです。なぜおしっこの問題は起きるのでしょうか。
私たちは1日の大部分を尿をためて(蓄尿)過ごしており、適切な尿量が膀胱にたまると尿意を自覚し、排尿するわけです。この蓄尿と排尿には、中枢神経(脳、脊髄)や末梢神経(骨盤内の神経)、蓄排尿に関わる臓器(膀胱や尿道)の作用に加えて、協調することが必要です。蓄排尿のメカニズムは、専門医でも難しいのですが、大きな旅客機を飛ばすことを考えれば楽しくなります(筆者の私見です)。飛行機を飛ばすには管制官が適切な指令をパイロットに送り、パイロットの正確な操作の下、整備された機体、滑走路があって、はじめて大空に飛びたつことができます。蓄排尿もまさに同じで、管制官にあたるのが中枢神経、パイロットと機体が膀胱にあたり、滑走路が尿道と考えられます。過活動膀胱などはパイロットが勝手に飛行機を飛ばそうとしている状態と似ており、前立腺肥大などは滑走路が障害物のために狭くなった状況であり、飛行機がスムーズに飛べないように排尿も悪くなるわけです。
専門的にはこの蓄尿・排尿の一連のメカニズムを下部尿路機能と称し、障害(疾患)の部位や程度によって様々な症状(専門的には下部尿路機能障害と呼びます)がみられることになります。

当科における下部尿路機能障害診療の特徴

先述したように、下部尿路機能に関わる様々な神経、臓器の障害によって、見られる下部尿路機能障害も異なります。診療において、治療成功のためには、どの部位に、どの程度の機能障害がみられているかを正確に診断することが重要になります。
我々の施設においては、患者さんの困っていること(自覚症状)の評価に加えて、他施設ではあまり行われていない膀胱や尿道の機能を正確に評価することができる尿流動態検査を積極的に施行しており、正確な診断のもと、下部尿路機能障害に対して、患者さん一人ひとりの病気のタイプに合わせた治療(個別化治療)の実践が可能です。
下部尿路機能障害を来す疾患の詳細については、各項目をご参考にしてください。

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