教授あいさつ
すべては患者さんのために
Shusuke Akamatsu 教授赤松 秀輔
2023年2月に第7代教授を拝命した赤松秀輔です。
泌尿器科は尿路・精路を対象とする診療科で臓器としては腎臓、副腎、尿管、膀胱、前立腺、尿道、陰茎そして精巣を扱う、いわゆる「後腹膜臓器」のプロフェッショナルです。このように対象となる臓器が多いため、疾患も代表的なものだけを挙げても尿路感染症、尿路結石症、前立腺肥大症、尿失禁などの良性疾患から腎臓がん、膀胱がん、前立腺がん、精巣がんなどの悪性腫瘍まで多岐にわたります。また、治療も内科的な薬物治療から外科手術まで幅広く行いますし、外科治療にも開放手術、腹腔鏡手術、内視鏡手術、ロボット支援下手術と様々なものがあります。さらに、小児泌尿器疾患や女性の骨盤臓器脱、腎移植なども扱い、まさしく老若男女を問わず診療する科です。名古屋大学泌尿器科では東海地方の大学病院としては唯一、性同一性障害にも取り組んでいます。
このように多岐にわたる泌尿器科の疾患について一人の医師が全て熟知して行うことはできません。名古屋大学泌尿器科には愛知県内および近隣県に多くの大きな関連病院がありますが、各病院が比較的距離が近く連携を取りやすいという特徴があります。名古屋大学泌尿器科グループには様々な泌尿器科領域の超一流のスペシャリストが在籍していますのでお互いに連携をとりながら質の高い医療を患者様にお届けできるような体制が整っています。
名古屋大学泌尿器科では大学病院の使命として高度ながん治療やロボット手術、高難度手術、腎移植などを中心に診療しています。そして標準治療を安全に提供するだけでなく、地域医療の最後の砦としての役割も果たして参ります。また、治験や様々な先進医療にも積極的に取り組み、医療の発展に尽くす所存です。
本邦を代表する国立大学の泌尿器科学講座として名古屋大学泌尿器科には医学研究への貢献も求められています。名古屋大学泌尿器科では悪性腫瘍および下部尿路機能を中心に基礎研究、トランスレーショナル研究、そして臨床研究を行っており、今後も世界レベルの研究を目指して進めて参ります。
また、地域の医療を支える質の高い泌尿器科医を育成することも大学病院の責務です。名古屋大学泌尿器科では泌尿器科専門研修プログラムの基幹施設として関連病院とともに専門医の育成を行うだけでなく、専門医資格取得後も様々な形で生涯教育を提供し、深い知識と経験に基づいて責任をもった治療を行える「真の泌尿器科プロフェッショナル」の育成に取り組んでいます。「すべては患者さんのために」をモットーに教室運営を進めて参りますので皆様ご協力のほどよろしくお願い致します。
略歴
2001年3月 | 京都大学医学部卒業 |
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2002年4月〜 2009年3月 |
関連病院勤務(静岡県立総合病院、 西神戸医療センター、大津赤十字病院) |
2009年4月 | 京都大学大学院医学研究科博士課程入学 |
2009年5月〜 2010年10月 |
理化学研究所ゲノム医科学研究センター研究生 |
2010年4月 | 日本学術振興会特別研究員(DC1) |
2012年7月 | バンクーバー前立腺センター ポストドクトラルフェロー (PI: Prof. Martin Gleave) |
2014年7月 | ブリティッシュコロンビア大学泌尿器科 クリニカルフェロー(Uro-oncology) |
2015年7月 | 京都大学医学部附属病院泌尿器科助教 |
2016年7月 | 理化学研究所統合生命医科学研究センター 客員研究員(併任) |
2019年12月 | 京都大学大学院医学研究科泌尿器科 講師 |
2022年1月 | 京都大学大学院医学研究科泌尿器科 准教授 |
2023年2月 | 名古屋大学大学院医学系研究科泌尿器科 教授 |
主な所属学会
日本泌尿器科学会、日本癌治療学会、
日本癌学会、日本泌尿器内視鏡・
ロボティクス学会、日本泌尿器腫瘍学会、
日本人類遺伝学会、日本メディカルAI学会、
日本排尿機能学会、日本性機能学会、
米国泌尿器科学会(AUA)、
米国臨床腫瘍学会(ASCO)、
欧州泌尿器科学会(EAU)、
国際泌尿器科学会(SIU)